古代エジプト文明はナイルの賜物である。 エチオピア高原に源を発するナイル川は夏になると上流域の雨を集めて増水し、下流域に黒い沃土を堆積(たいせき)させる。 古代エジプト人はその上に麦を育て豊かな実りを得た。当作品は、エジプト文明の精華とも言えるツタンカーテン王(後に改名してツタンカーメン)の黄金の玉座を基に創作した。 玉座に寛(くつろ)ぐ王に王妃が香油を塗る場面である。九歳で即位した王は懸命に激動の時代を生きた。