十五代 辻常陸

15th. HITACHI TSUJI  陶芸家



十五代 辻常陸を襲名し、皆々様に励ましていただきこのような展覧会を催すことが出来る様になった事を大変感謝いたします。

 

当家は江戸時代から禁裏御用窯として天皇・公家を中心とした染付作品を制作してまいりました。代々継承する技法、技術、それぞれの時代で求められるものを意識しながら、宮中にふさわしい品格と格調を感じていただける様な磁器を作り上げてまいりました。

 

今後とも先祖伝来の技と心を真摯に受けとめ日々研鑽してまいります。


辻家秘伝 極真焼

 

1811年、九代 辻常陸(喜平次)により発明された辻家独自の焼成製法です。製品と同質の磁土で匣鉢(さや)を作り、蓋との接触部分と内部全面に釉薬を十分に施して焼成することで匣鉢内を真空状態とします。その結果、内外のガスの浸透・拡散を完全に遮断することで気品あふれる肌の光沢と深い呉須の発色の製品が得られます。しかしながら焼成後、鉄槌で匣鉢を粉砕して製品を取り出すという多くの手間の割には一回限りの製法でもあります。